俺様天然男子
その表情が、ありえないほど可愛くて。



なぜか胸が苦しくなる。



「いいよ、好きに呼んで」

「じゃあ…理音…くん?」

「雛森って…可愛いね」

「ぬぁっ⁉︎なななっ、なに言ってますか⁉︎」

「いや、可愛いから…」

「も、やめてっ…ヤバイ…倒れそう…」

「だ、大丈夫⁉︎」



ど、どうしたらいい⁉︎



救急車とか⁉︎



道端にうずくまった雛森の顔を覗き込んだ。



「ち、近い…」

「ごめっ‼︎だ、大丈夫かと思って…」

「大丈夫…。なんていうか…キャパオーバーで…」

「ん…?」

「ごめんね、あたしね…リトくんと友達にはなれそうにない」

「えっ…」

「好きなの。もう、何ヶ月も前から。本当は言うつもりじゃなかった。でも、言わなきゃ…あたしは変われないと思うから…。好きです、天道理音くん」



はじめての告白。



俺は病気かもしれない。



胸がものすごく、苦しくなる。



好きって、なんだ?



俺は…なんて言えばいいの?



人生初の告白は、住宅街の道路。



しゃがみ込んだ、道のど真ん中だった。



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