俺様天然男子
お父さんをお父さんとは、思えなかったもん。



「工藤さん…?」

「ん?」

「あたし、就職先…自分で探してみる。接客、やりたいなぁって思ってて…。工藤さんからの申し出は、本当にありがたいんだけど…」

「そっかぁ…。会社に入れたら、囲えると思ったのに…」

「あたしのお父さんは…ね?」

「うん…?」

「ちゃんと…工藤さんだよ?」

「由乃ちゃっ…」

「心配かけてごめんなさい。あたしのこと、たくさん考えてくれてありがとう。これからもよろしくお願いします、お、お父さん…?」

「由布子さぁぁぁぁぁぁん‼︎今の録音しておけばよかったよぉ‼︎」

「大袈裟ー‼︎」



たくさんの人に迷惑をかけて生きていく。



頼って、頼られて。



これが人なんだろうな。



あたしももう少し大人になって、しっかりしなきゃダメだね。



理音くんとのケンカは、意味のあるものだった。



これから先もぶつかることがあるかもしれない。



だけど、一個ずつ、乗り越えて行けたらいいな。



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