俺様天然男子
そうだよね、あたしのことなんか好きになってくれるはず、ないんだよね…。



『可愛い』と言われて、舞い上がってしまったのだろうか…。



でも、言わなきゃ伝わらないと思った。



ストレートに、言葉をぶつけなきゃいけないって。



なぜか、思ってしまった。



あの顔を間近で見て、焦ったのかもしれない。



誰かに取られる前にって。



でも、ごめんって言われた…。



土曜日で、学校が休みの今日、紗雪が慰めに来てくれたけど…。



もうダメだよ、あたし。



この世の終わりだよ…。



「落ち込んだ時はコレを聴くといいよ」

「なに、これ…」

「最近話題の男の子。歌、激ウマなの。しかもね、リクエストに答えて歌ってくれるんだよ。顔が見えないのが残念なんだけどね」

「ふぅん…」



紗雪がスマホでかけた、男の子の歌う、女子の歌。



やめてよ、この歌、切ないやつじゃんか…。



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