俺様天然男子
だけど、本当にうまかった。



透明感のある、心地いい声。



理音くんの声も好きだけど、この人、本当にうまいな…。



まるで自分の曲じゃん。



「名前、なんていうの…?」

「チャンネルの名前は…リトルヘブンだよ」

「ははっ、天国ね、行ってきます…」

「こらこら、失恋くらいで死んじゃダメだから」



失恋って言ったぁぁぁぁぁ‼︎



やっぱり、フラれたんだよね…。



リトルヘブンさん、あたしもその小さい天国に連れてってください…。



告って、ごめんと言われて、ごめんと言って。



走って逃げた。



さらば、あたしの初恋…。



「でもさ、やめないでしょ?」

「えっ?」

「理音を好きなこと」

「やめ…ない…」

「なら、なんで泣いてるの?まだ、泣くほど頑張ってないんじゃない?」

「そうか…そうだよね。さすが教祖様」

「なに、その教祖って…」

「あたし、紗雪を崇めることにする。毎日お祈りを捧げるからね」



そうだ。



あたしはまだ、泣いていいほど頑張ってない。



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