俺様天然男子
次の日から始まった研修は、まず、座学が主だった。



接客の心得や料理の説明。



イタリアの歴史なんかも教えられて、頭がパンクしそう…。



慣れない言葉に、大人向けのサービス。



心が折れてしまいそうになれば、理音くんに電話して泣きつく。



わからないことは、お隣のユズキちゃんと一緒に勉強して。



ユズキちゃんもあたしと同じ場所に希望を出しているようで、ライバルでもある。



希望が通らなくてもいい。



せめて近くなら。



「由乃が遠くに行ったら…ムリヤリ結婚して連れ戻そうかな?」



なんて、理音くんの恐怖の言葉をバネに、がむしゃらに、とにかく必死に頑張った。



実技の接客は、カフェでの経験もあって、自身はある。



だけど、トラブル時の対応の仕方なんかは、慌ててしまって、思うように行かない…。



「申し訳ございません、確認してまいります。そう言って、店長か主任にお願いします」

「それでいい。自分ひとりで解決しようとするなよ?」

「はい」



お願いだから…近くの場所で働きたい‼︎


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