俺様天然男子
俺の荷物しか置いてない部屋に入り、床に座ってヘッドホン。



落ち着け、俺…。



由乃だって、俺と外に出ることを嫌なわけじゃないと思う。



それはわかってる。



だけど『俺が俺じゃなければ』とか『有名にならなきゃよかったの?』とか。



そんなネガティブなことばかり浮かんできて。



アンプにヘッドホンを繋ぎ、ギターを弾く。



ここは防音じゃないから、音は出せない。



とにかく無心で弾く。



実家にいたら、音楽部屋で声を出していたと思う。



それができないから、ギターに頼る。



どれ程経ったか、指が疲れてギターを置いた。



よし、大丈夫。



リビングに出ると、ソファーに座って膝を抱えて小さくなってる由乃がいた。



「由乃」



声をかけると、上げた顔は目が赤い。



泣いてたのか…。



「ごめんね…」

「どう…すればいいの…?」

「由乃の思ってること、言っていいよ。ちゃんと聞くから」



ポロポロ涙が溢れた。



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