俺様天然男子
隣に座り、手を握って涙を拭ってあげる。



「デートとかっ、本当はしたいっ…」

「うん」

「だけどっ、あたしなんかと理音くんが釣り合ってないのは見てすぐわかるでしょ…?迷惑かけたくないっ…」

「それは俺が言ったの?迷惑だって」

「言ってないっ…けど…」

「俺は由乃と一緒にいたいからいるんだよ?離れたくなくて、こんな部屋まで借りて。それでも、由乃は自信がないってこと?」



首を横に振る。



俺に愛されてる自覚があるってことだね。



「周りが気になるの?」

「うんっ…」

「それなら別れたらいい?他の人の方が気楽に付き合えるよ、きっと」

「そんなのっ、絶対嫌だっ‼︎」

「じゃあ、どうする?俺はこのままなんて嫌だし、由乃のことは守るつもりだけど、ネットで顔とか出ちゃうかもしれないし」

「わかんないっ…」



ヤダよ。



由乃と別れる?



それなら、俺はこの家に閉じ込めるよ。



仕事なんか行かせないで、全部俺が面倒見て。



絶対別れてやんないからね。



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