俺様天然男子
妊娠かとか騒がれたけど、そこはちゃんと否定しておいた。



今まで貯めていたバイト代全部で嵐生に婚約指輪を買い、『あんた、あたし以外と結婚する気なの?その気がないなら受け取りなさい。そしてあたしを養え』と言ったそうだ。



なんとも紗雪らしく、なんとも男らしい。



尊敬するよね、本当に。



その結婚式が今日。



フェスなんかで知り合って仲良くなったミュージシャンばかりが集まり、みんなに嵐生がリクエストして、余興を頼んでるらしい。



「おっ、由乃。なんか別人だな」

「野芝さん、ご無沙汰してます」

「次はお前らか?」

「あははっ…」



俺のプロポーズは、いまだに受けてもらえてないけどねー。



仕事が楽しくて、まだやめたくないんだって。



結婚しても仕事続けたらいいじゃん。



でも、それを言ったら『絶対仕事辞めろって言うでしょ』と言われ、納得した。



野芝さんとは度々誘われたバーベキューや釣り、うちに飲みに来るとか、プライベートな付き合いで由乃も仲良くなってる。



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