俺様天然男子
話がしたい。



それにも応じる気はない理音くんに、何度もメッセージを送ろうと思った。



だけど、冷たく突き放されるのが怖くて送れない。



どうすればいいの…。



あたしは、どうしたらいいの…。



ホテルに戻っても、食欲も沸かずにお酒に逃げる。



飲んでる時は忘れられる?



そんなことない。



ずっと理音くんのことを考えている。



どうしても声が聞きたい…。



こんな夜は、hackの曲を聴く。



まるでその辺のファンと一緒だ。



だけど、本当の理音くんを知ってるあたしには、こんなものじゃ足りないんだよ。



泣いても泣いても、何も解決しない。



ねぇ、理音くん。



もう…あたしのことはどうでもよくなった?



『いつか捨てられる』とか『理音くんが離れたくなった時が潮時』だと、勝手に思っていた。



まさか自分から離れるなんて、考えてもなかったの。



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