俺様天然男子
もっともだ。



あたしが離れると言った。



理音くんからのアクションを待っていた…?



『離れても大好きだよ』って、あたしは言って欲しかった?



違う。



「お母さん、ありがとう」

「お母さんはね、理音くんが息子になる日を夢見てるんだからね」

「あははっ、イケメンだから?」

「そうよ‼︎婿に欲しいわよ‼︎そろそろ由嬉に音楽やらせようと思ってるくらいなんだから」



すっきりした。



あたしがやらなきゃいけないことが、少し見えた気がする。



ごめんね、理音くん。



あたしが…間違ってた。



『今日、帰り遅い?話があるの』



マンションに戻って、理音くんにメッセージを送った。



『そんなに遅くなんない。もう少し待ってて、帰るから』



会うのはどのくらいぶりだろう。



会いたい。



早く、顔が見たい。



そんな気持ちに溢れていることが、久しぶりだと気づいた時に、すごく自分がバカに思えた。



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