俺様天然男子
でも、今の俺はものすごく、気分がいい。



これが落ち着いていられるかと、体が熱い。



「で、よろしくな、理音」

「俺…やるって言ってない…」

「じゃあやんねぇの?他に探していいのかよ」

「他に…」

「今断ったら、二度とこんなチャンスなくなるぞ?」

「だけどっ‼︎俺、人前出るの嫌いだしっ…」

「んなもん、4分の1だろ」



バンドを組めば、俺の人前嫌いが4分の1に減るってこと…?



どういう計算でそうなるの?



「嵐生って、バカなんだね」

「はぁ⁉︎バカじゃねぇよ。緊張しても、嫌なことあっても、メンバーがいれば4分の1になんじゃねぇの?」

「そう、なの…?」

「俺も背負ってやるよ?」



嵐生って、本当にいいヤツ。



俺のこと、ちゃんとわかってるんだなぁ。



「腹減ったからラーメン行こうぜ。話ながら」



こうして、勝手に加入させられたバンドのボーカルになった。



< 67 / 640 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop