俺様天然男子
もう、楽しすぎる。



「バンド名、あるの?」

「おぅ‼︎よくぞ聞いてくれました‼︎」

「なんて名前?」

「ハックだ‼︎」

「えっ、ハック…?」

「意味は…なんだったか忘れたっ‼︎短くて覚えやすいからな‼︎ちなみに、リーダー俺っ‼︎」



ハッキングとか、そんな意味じゃ…。



まぁ、嵐生のことだから、特に意味なんてないんだろうけど。



「ではでは、新メンバー加入を祝して…かんぱーい‼︎」



わけもわからぬまま、水で乾杯をした後、連絡先の交換をして。



嵐生の友達だけあって、タカもスバルも面白くていい人たちだった。



「じゃ、今日は解散ってことで。明日、どっかに集まるか」

「ごめん、バイト」

「あうっ‼︎なら、仕方ないな…。学校でな、理音」

「あっ、うん、じゃあね」



初めて、こんなに遅くなった帰り。



ウキウキが止まらなくて、家に帰ってもニヤけていた。



「珍しい、お兄ちゃんが笑ってるの。まさか、例の彼女とうまくいった?」

「ううん、バンド」

「バンド?」

「ボーカルで入ることになったんだ」

「うっそ…。ママっ、パパっ‼︎お兄ちゃんがバンド結成したらしいよっ‼︎」



家の中がお祭り状態。



父さんは嬉しすぎて俺の頭をずっと撫でて、母さんは泣き出す。



泉は隣の祖父母の家に報告に言って、祖父母も喜んでいて。



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