俺様天然男子
みんなに心配をかけていたことに、今更反省した。



「やっと、気の合う仲間が見つかったんだね、理音」

「そう、かも」

「大事にするといい。たくさん楽しんで、たくさん思い出を作って。いろいろ経験して、大人になるといいよ」



父さんは、やっぱり優しかった。



俺、バイトさせてくれたこと、本当に感謝してる。



俺がこうして変われそうなのも、あの環境がくれたものだから。



これからは、あんまり心配かけないように努力するから。



「じゃあ、次はやっぱり雛森さんだね、お兄ちゃん」

「それは…」

「夏休みになったら、デートでもしてみれば?でも、ちゃんと意識するんだよ?」

「意識してるけど…」

「頭で考えすぎちゃダメなんだからね‼︎」

「わかんないよ、そんなこと言われても…」



雛森か。



俺ね、ちゃんと向き合ってるつもりだよ?



こんな俺を好きだって言ってくれて、気持ちを伝える勇気を出してくれて。



俺にはもったいないくらい。



うん、デートでもしてみようかな。



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