俺様天然男子
悩みながら、初めてのバイト。



まだ開店前の店内に、いろいろなものを搬入。



初めて会った大学生や、フリーターの年上のお兄さんお姉さんは、みんな優しくしてくれた。



雰囲気がいい。



オーナーもイケメンで、ヒゲの似合う爽やかな人だし。



みんなの足を引っ張んないように頑張らなきゃ。



「由乃ちゃん、こっちお願いしていい?」

「今行きまーす‼︎」



初日から楽しくて、張り切りすぎたのか…疲れた…。



帰った家には誰もいなくて、だけどお母さんの置いて行った夕飯にラップがかけられていた。



『初バイト、お疲れ様』



気を使ってくれたのか、置き手紙まである。



「お母さん…」



嬉しくて、一気に食べて。



お風呂に入ればすぐに夢の中。



理音くんとのデートのことを考えようと思っていたのに…と、朝が来てから後悔した。



今日もバイト。



帰ってきて寝てるお母さんに、置き手紙を書く。



『おいしかったよ。バイトも楽しかった。今日も行ってきます』



行ってきます、お母さん。



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