総長さま、溺愛中につき。②〜クールな総長の甘い告白〜
「どうした?」
「す、すみません、抱きついてしまって……」
謝ると、蓮さんはなんだそんなことかと言うように笑った。
私の手を引っ張って、隣に座らせた蓮さん。
少しの間、室内に沈黙が続く。
「……聞かないんですか?」
「ん?」
「な、泣いてた理由……」
何も聞いてこない蓮さんが不思議で、そう尋ねる。
「言いたくないことは言わなくていい」
蓮さんは、再び私の頭を撫でてそう言った。
「ただ、由姫の心が落ち着くまではそばにいさせてくれ。心配だから」
……蓮さん。