総長さま、溺愛中につき。②〜クールな総長の甘い告白〜
「謝るな。俺の胸なら、いつでも貸してやる」
「ふふっ、予約いっぱいじゃないですか……?」
「バカ言え。由姫専用だ」
涙は流れているけど、もう悲しくはない。
これは多分……最後の涙。
春ちゃんを想って流す、最後の。
「私が、彼をああさせちゃったのかな……」
「自分のことは責めるな。相手の非を、被ってやる必要はない」
そっか……。
「辛かったな」
蓮さんの服を、ぎゅっと握りしめてしがみつくように頭を預ける。
もう、私の中に悲しみや寂しさはなかった。
蓮さんの温もりに目をつむって、私は静かに、残っていた涙を流した。