総長さま、溺愛中につき。②〜クールな総長の甘い告白〜




《ちょっと学校の用事が忙しくって、当分連絡取れそうにないの》


嘘をつくのは嫌だけど、少しだけ時間がほしい。



《だから、返信も電話もできないと思う。ごめんね》



送り終わって、ふぅ……と息を吐いた。

まだ、気持ちの整理がついていない部分が残っている。

春ちゃんと付き合っていた2年間、春ちゃんはずっと優しかったし、たとえそれが偽りでも、春ちゃんに悪い思い出はひとつもなかった。

だから……正直、すぐに嫌いになることなんてできない。

fatalのみんなのことも、きっと嫌いになることはない。

みんなが大好きだった気持ちは、そんなことですぐに消える気持ちではなかったから。

春ちゃんと距離を置いて、ちゃんと自分の中で気持ちが落ち着いたら……。

——その時はちゃんと、私から別れを切り出そう。

ピコンッと、すぐに返事がきた。

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