総長さま、溺愛中につき。②〜クールな総長の甘い告白〜
「ふふっ、みんなバイバイ!また来週」
みんなに手を振って、私は教室を出た。
一番近道で生徒会室に行ったら、学食の混雑に巻き込まれるため、少し遠回りして向かう。
……それが、間違いだった。
あれ?
目の前から、女の子を引き連れて歩いてくるひとりの男の子。
よく見ると、その姿はなっちゃんのものだった。
……っ。
思わず顔を伏せ、向こうが気づかないように端を歩く。
けれど、すぐに気づかれてしまったらしい。
「うわ、メガネ女じゃん」
なっちゃんの、嫌そうな声が聞こえて足を止める。
恐る恐る顔を上げると、なぜかなっちゃんはこっちへ近づいてきた。
な、何っ……。
今はfatalのみんなに、会いたくないのにっ……。