総長さま、溺愛中につき。②〜クールな総長の甘い告白〜
「……っ」
なっちゃんの顔が、一瞬にして青ざめた。
「わかったら、今後は由姫に近づかないでね」
にこっといつもの微笑みに戻り、付け足すように言った南くん。
「ほら由姫、行こ!」
「あ……う、うん!」
南くんに手を引かれ、頷く。
「じゃあまた明日教室で。バイバイ夏目くん!」
私の手を握ったまま、もう片方の手でなっちゃんに手を振った南くんは、そのまま廊下を進んでいく。
私は引かれるがまま、行き先は一緒だろうと南くんについて行った。
「なんなんだよあの女は……つーかあいつ、骨折る気だっただろ……」
歩いていく私たちを見ながら呟かれたなっちゃんの声は、届かなかった。