総長さま、溺愛中につき。②〜クールな総長の甘い告白〜
冷たい風に当たって頭を冷やしたくて、ウィッグをかぶる。
少し外に出るだけだし、きっと誰にも会わないだろうから、カラーコンタクトはいっか。
そう思って、メガネだけつけて部屋を出た。
校内探索をしている時に見つめた穴場がある。寮から少し離れたところにある、小さな花壇。
様々な種類の花が咲き誇っていて、とってもキレイだけど、離れているせいか人の入りは少ないみたい。
誰もいないことを確認して、ベンチに座る。
上着を着てきたけど、ちょっと寒いな……あんまり長居しないようにしなきゃ。
風邪がぶり返したら、蓮さんに申し訳ない。
でも、冷たい風は気持ちがいい。
無心になろうと目を瞑ると、また今日の光景が浮かぶ。
なっちゃん……。
はぁ……ダメだなぁ。
もうしっかりと前を向けていると、fatalのみんなのことは考えないようにできていると思ってたけど、そんなこと全然なかった。
私の中の、“優しいみんな”が邪魔をする。