総長さま、溺愛中につき。②〜クールな総長の甘い告白〜
目を瞑ると、fatalとの思い出が浮かぶ。
別に……全部を忘れる必要なんてないよね。
昔の思い出は……それは素敵な思い出として、大事にとっておこう。
今は変わってしまったとしても、過去は変わらない。
『サラ!』
ふゆくんの真っ赤な顔を思い出して、笑みがこぼれた。
私も……あの頃から何も変わらないよ。
いつか、ふゆくんにはちゃんと話したいな。
そして……白咲由姫として、もう一度友達になりたい。
頬についた涙の跡を、ごしごしとこする。
もう泣かない。
今度こそ私は、顔を上げるから。
みんなとの思い出を、大切に胸にしまって——。