総長さま、溺愛中につき。②〜クールな総長の甘い告白〜
サラ
【side南】
『大丈夫?キミたちのおかげだよっ。頑張ってくれてありがとう!』
サラと出会った日から、僕の世界の中心はずっとサラ。
向けられた笑顔が、差し出された小さな手が、頭から離れない。
かけられた声は、もう数え切れないほど脳裏で繰り返されている。
こんなにも誰かを欲したのは、生まれて初めてで、きっと最初で最後なんだと思う。
だから——どんな手を使っても、手に入れたい。
「じゃあね、バイバイ南くん!」
「うん、またね」
僕はサラの下の階だから、先に降りる。
エレベーターの扉がしまって、上の階に上がって行ったサラ。
「……あーあ、かわいそうなサラ」
ひとりきりになった僕は、そう声を漏らした。