総長さま、溺愛中につき。②〜クールな総長の甘い告白〜
僕以上に殴られて消耗していた舜くんは、もう抵抗する力が残っていないのかぐったりしていた。
……っ。
もう最悪……僕、正式なメンバーでもないのにっ……。
殴られる……! そう覚悟した、時だった。
倉庫の扉が、ガシャンッと歪な大きな音を立てる。
何度も何度も、扉を蹴るような音が響いた。
……何の、音……?
倉庫にいた人間の視線が、揺れている扉に集まる。
——ガシャンッ!!
え……扉、開いた……。
鍵かかってたはずなのに……。
倉庫の中に差した、日の光。
開いた扉の先にいたのは——ひとりの、綺麗な女の子だった。
だ、れ……?
細い身体、桃色の髪に水色の瞳。息を飲むほど綺麗なその子に、目を奪われた。
意識が朦朧としていたから、一瞬……天使か何かかと本気で思った。