総長さま、溺愛中につき。②〜クールな総長の甘い告白〜
目に終えないような速さで、彼女が背負い投げをしたから。
一瞬何が起こったのかわからず、ぱちぱちと瞬きを繰り返す。
今……気づいたら、biteの総長が叩きつけられてたけど……な、何が起きたの?
biteの総長は強い。最悪最低なやつだけど、そこは認めざるを得ない。
現に僕たちだってかなわなくてこのザマ。なのに……彼女はいとも簡単に、総長を抑えた。
痛みをこらえているbiteの総長の首を、彼女が蹴り上げる。
殴られた総長は、意識を手放したのかぐったりしていた。
……嘘……。
『そ、総長!!おい!この女止めろ!!』
biteの他のメンバーたちは驚き固まっていたが、すぐに彼女に襲い掛かった。
危ない……!と思ったけど、心配は少しも必要なかった。
まるで舞うように、軽々と動きながら、ひとりずつ倒していく彼女。
喧嘩をしている時に使うにはふさわしくない、“キレイ”という感情が溢れた。
す、ごい……。