総長さま、溺愛中につき。②〜クールな総長の甘い告白〜
「そ、そうなんだ」
とりあえず、そう言って相槌を打っておいた。
教室の後ろの扉が、勢いよく開く音が聞こえた。
「由姫、おはよ……!寝坊した……」
急いで来たのか、少し寝癖がついている拓ちゃん。
ぴょこんと跳ねている髪が可愛くて、笑みがこぼれる。
「ふふっ、おはよう拓ちゃん」
私は隣に座った拓ちゃんの頭に、そっと手を伸ばした。
「えっ、ど、どうしたの?」
「寝癖。……はい、治ったよ」
なぜか顔を真っ赤にした拓ちゃんは、恥ずかしそうに目を伏せた。
「あ、ありがと……!」
ふふっ、寝癖が恥ずかしかったのかな。