総長さま、溺愛中につき。②〜クールな総長の甘い告白〜
冬夜がかばっていたが、女は逃げるように教室を出て行った。
なぜか女が去っていった後を、じっと見ている冬夜。
「おい冬夜、何突っ立ってんだよ」
夏目の声に、振り返った冬夜の眉間にシワが寄っていた。
「いや、今の子……なんか、サラに……」
「……あ?」
……何言ってんだ、こいつ。
頭イかれてんのか……?
「いや、何もない」
俺の機嫌を察したのか、先の言葉を飲み込んだ冬夜。
「ふゆくんって……聞き間違えか……?」
ぼそっと何かをいっているけど、俺の耳には届かなかった。
「なあ春季。いい加減サラから連絡ないの?」
「ない」
会うたびに聞いてくるしつこい秋人に、いつもと同じ返事を返す。