総長さま、溺愛中につき。②〜クールな総長の甘い告白〜
ROUND*06 温もりに包まれて
腕の中
いつまで経っても枯れない涙は、夕日が沈んでも止まる気配はなかった。
悲しくて、ただただ悲しくて仕方なかった。
暗い場所は怖くて苦手だったけど、今日はちょうどよかったかもしれない。
こんな場所に、私以外の人はこないだろうし……もし誰かが通りすがっても、見えないだろうから。
私、きっと今惨めだなぁ……。
春ちゃんに、fatalのみんなに会いたくてこの学園に来たのに……気づいてももらえなかった。
みんなのあんな顔……知りたくなかったな。
でも、知らないままよりはよかったのかな……。
裏切られたとか、そんなことは思わない。
でも、ショックが大きすぎた。
春ちゃんの浮気も、本当だってわかって……これから、どうしたらいいんだろう。
このまま何もなかったように付き合い続けるなんてできないし、今更サラの姿でみんなに会うのも嫌だ。