総長さま、溺愛中につき。②〜クールな総長の甘い告白〜
主語も何もないセリフが伝わるわけないのに、自然と口からこぼれていた。
本当に、何も……見えてなかった自分が、情けない。
きっと春ちゃんは気づいてくれると信じて疑わなかった自分が、
恥ずかしい……。
「……」
蓮さんは何も言わず、じっと私を見つめていた。
と思ったら、急に立ち上がり、制服のジャケットを脱いだ蓮さん。
それを、私の頭にかけてきた。
えっ……?
突然のことに驚いたのもつかの間、身体をふわりと抱き上げられる。
「こんな暗いところにひとりでいたら危ない。部屋行くぞ」
……もしかして、顔を隠してくれてるのかな……?
蓮さんのジャケットのおかげで、私の姿は見えない。