彼岸の狐
…数刻ほどしてツララと少女は戻ってきた。

しかし先ほどとは打ってかわる綺麗さで。

髪もボサボサで服もボロボロだった少女は
髪はさらさら服も綺麗なパーカに短パンを履いていて綺麗になっていた。

それには流石にメトラと男も驚いていた。

メトラは仮面を取っており右目だけが失明していた。が、左目だけは大きく見開いていた。


「ど、どうしたのよ!?」

「スッゲェ綺麗になってるね…」

「頑張った」

「ツララアンタその子に何したのよ」

「え?風呂入れてから服あげただけだけど。」


2人は一度顔を見合わせてから


「「はぁぁぁぁぁ!?」」


と素っ頓狂な声を上げた。

そしてツララの肩を掴んで詰め寄る。


「あ、アンタ風呂入れたってアンタねぇ!!
 そんな状況の女の子に…ねぇ!?」

「そうだよ!!流石に風呂は…!!」


「…お前ら何言っての?勘違いしてるよ」

「「へ?」」

「風呂入れたっつっても髪洗っただけだしタオル巻いて入れたし体は自分で洗ってもらったし。服は俺のぶかぶかのやつあげただけなんだけど。」


「お前ら…何妄想してんの?」


勿論のこと2人は硬直。

ただ1人少女はよく分からないので首を傾げたままだった。
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