彼岸の狐
翌日…。
キランはあのあと物置部屋を
自分の部屋にしてもらった。
ムクリ…。
ベッドから起き上がり昨日ツララにもらった
服を着る。
とは言ってもそれしか服がない。
と言うか、ツララは案外優しいのではないか?
そう思ったのはちょっと秘密。
意外にも服がぴったり合っている。
なんでだろうか。
キランはそんな事は気にせずに
物置部屋を掃除する。
その時、ガラリと扉が開いた。
「下に来い。メトラが呼んでる。」
「わ、分かった」
「あとさ、俺はアンタより年下だからいいけど
みんなには敬語使いなよ」
「あ、うん」
ーーーーーーーーーー
「連れてきたよ」
「おつかれ〜ツララ」
「テメェが呼んで来いっつったんだろが」
「怒ってばかりは良くないぞツララ」
「マルクうるさい」
ツララは近くにあった椅子にドッカと座った。
しどろもどろしているキラン。
「…アンタ何も言わないで連れてきたの?」
「流石にそれはねぇ」
「なーんでツララは人と仲良くできねぇかなぁ?
折角初めての同性の友達ができる
チャンスだってのに」
「おい、マルク!!」
「…は?」
一同困惑。
何故なら今のマルクの発言は
ツララが女だと言っているようなものだったから
「馬鹿マルク!!!」
「は?…あっ…悪い」
どうやら無自覚。
つい口が滑った様だった。
「マルクほんっとうに…!!」
「わ、悪かった!!」
珍しく焦るマルク。
その様子を見ると本当の様だった。
「…え、まじ?」
「本当になの⁇」
どうやらメトラとタフも知らなかったらしい。
「チッ…」
キッとマルクを睨むツララ。
まるで後で覚えとけよと、言っている様だった。
「えっじゃあ本当の本当に…」
「俺は女だ」
「ええぇぇぇぇ!?」
「うるさい黙れ刺すぞ」
手に氷を作るツララ。
「え、だって、あの、女嫌いなツララが!?」
そう、ツララは女嫌いなのだ。
理由は単純。
媚び売ってくるし、香水の匂いが嫌。
自分が女だと分かると態度を急変させる。
だから嫌いだったのだ。
元々少年顔であるツララは幼少期からよく間違えられていたのだ。
だったら男のふりをしていた方が色々と楽。
と考えて日々過ごしていたのだが…。
現在進行形でその思いは儚く散った。
キランはあのあと物置部屋を
自分の部屋にしてもらった。
ムクリ…。
ベッドから起き上がり昨日ツララにもらった
服を着る。
とは言ってもそれしか服がない。
と言うか、ツララは案外優しいのではないか?
そう思ったのはちょっと秘密。
意外にも服がぴったり合っている。
なんでだろうか。
キランはそんな事は気にせずに
物置部屋を掃除する。
その時、ガラリと扉が開いた。
「下に来い。メトラが呼んでる。」
「わ、分かった」
「あとさ、俺はアンタより年下だからいいけど
みんなには敬語使いなよ」
「あ、うん」
ーーーーーーーーーー
「連れてきたよ」
「おつかれ〜ツララ」
「テメェが呼んで来いっつったんだろが」
「怒ってばかりは良くないぞツララ」
「マルクうるさい」
ツララは近くにあった椅子にドッカと座った。
しどろもどろしているキラン。
「…アンタ何も言わないで連れてきたの?」
「流石にそれはねぇ」
「なーんでツララは人と仲良くできねぇかなぁ?
折角初めての同性の友達ができる
チャンスだってのに」
「おい、マルク!!」
「…は?」
一同困惑。
何故なら今のマルクの発言は
ツララが女だと言っているようなものだったから
「馬鹿マルク!!!」
「は?…あっ…悪い」
どうやら無自覚。
つい口が滑った様だった。
「マルクほんっとうに…!!」
「わ、悪かった!!」
珍しく焦るマルク。
その様子を見ると本当の様だった。
「…え、まじ?」
「本当になの⁇」
どうやらメトラとタフも知らなかったらしい。
「チッ…」
キッとマルクを睨むツララ。
まるで後で覚えとけよと、言っている様だった。
「えっじゃあ本当の本当に…」
「俺は女だ」
「ええぇぇぇぇ!?」
「うるさい黙れ刺すぞ」
手に氷を作るツララ。
「え、だって、あの、女嫌いなツララが!?」
そう、ツララは女嫌いなのだ。
理由は単純。
媚び売ってくるし、香水の匂いが嫌。
自分が女だと分かると態度を急変させる。
だから嫌いだったのだ。
元々少年顔であるツララは幼少期からよく間違えられていたのだ。
だったら男のふりをしていた方が色々と楽。
と考えて日々過ごしていたのだが…。
現在進行形でその思いは儚く散った。