猫になんてなれないけれど
『これ以上、踏み込まないで』
萌花の心は、そう訴えているようだった。
絶対になにかを抱えてる。それだけはわかるけど、必死でなにかを守ろうとしている萌花に対し、それ以上は、冨士原さんも踏み込むことはしなかった。
「・・・わかりました。それでは、なにかあったらいつでも。警察にご連絡ください」
「はい。ありがとうございます。美桜も門脇さんも・・・ありがとうございました。今日はもうお客さんも来ないでしょうし、椿もこんな感じですから・・・お店も閉めますね」
萌花の言葉を受けて、私たちは店を出た。
シャッターを閉める前、門脇さんが「心配だから泊まっていこうか」と言葉をかけたけど、萌花は「違う意味で心配だから大丈夫です」と笑顔で断った。
「大丈夫?ほんとに」
「平気だよ。シャッター閉めたら誰も入って来れないし。なにかあったらさすがにちゃんと警察に電話するから大丈夫。ほら、もう帰って。私も、椿寝かさないといけないから」
そう言うと、萌花はそのままシャッターを下ろした。
私と門脇さん、冨士原さんは、何も言えずにその光景をただ見守るように眺めていた。
「・・・彼女の言葉を信じるしかないですね。管轄の警察に見守りの依頼は出しますが」
「お願いします・・・」
心配だけど、これ以上、今、ここで私にできることはなさそうだった。
あとは、萌花を信じることと、警察の見守りを信じることと、萌花が抱えこんでいるなにかが、無事に、早く解決することを願うだけしかできない気がした。
冨士原さんは、気持ちを切り替えるように息を吐き、私と門脇さんに向き直る。
「近くに車を停めていますので。よかったら、お二人とも家までお送りします」
「あー・・・、オレは大丈夫です。心配なんで、もう少しだけ様子見てますよ」
冨士原さんの提案に、門脇さんがそう言った。
目線の先は、「はなの季」の2階。萌花と椿ちゃんの自宅に電気がついた。
萌花の心は、そう訴えているようだった。
絶対になにかを抱えてる。それだけはわかるけど、必死でなにかを守ろうとしている萌花に対し、それ以上は、冨士原さんも踏み込むことはしなかった。
「・・・わかりました。それでは、なにかあったらいつでも。警察にご連絡ください」
「はい。ありがとうございます。美桜も門脇さんも・・・ありがとうございました。今日はもうお客さんも来ないでしょうし、椿もこんな感じですから・・・お店も閉めますね」
萌花の言葉を受けて、私たちは店を出た。
シャッターを閉める前、門脇さんが「心配だから泊まっていこうか」と言葉をかけたけど、萌花は「違う意味で心配だから大丈夫です」と笑顔で断った。
「大丈夫?ほんとに」
「平気だよ。シャッター閉めたら誰も入って来れないし。なにかあったらさすがにちゃんと警察に電話するから大丈夫。ほら、もう帰って。私も、椿寝かさないといけないから」
そう言うと、萌花はそのままシャッターを下ろした。
私と門脇さん、冨士原さんは、何も言えずにその光景をただ見守るように眺めていた。
「・・・彼女の言葉を信じるしかないですね。管轄の警察に見守りの依頼は出しますが」
「お願いします・・・」
心配だけど、これ以上、今、ここで私にできることはなさそうだった。
あとは、萌花を信じることと、警察の見守りを信じることと、萌花が抱えこんでいるなにかが、無事に、早く解決することを願うだけしかできない気がした。
冨士原さんは、気持ちを切り替えるように息を吐き、私と門脇さんに向き直る。
「近くに車を停めていますので。よかったら、お二人とも家までお送りします」
「あー・・・、オレは大丈夫です。心配なんで、もう少しだけ様子見てますよ」
冨士原さんの提案に、門脇さんがそう言った。
目線の先は、「はなの季」の2階。萌花と椿ちゃんの自宅に電気がついた。