猫になんてなれないけれど
(・・・萌花、『あとはまかせた!』って顔してる・・・)


渡された封筒には、お礼の言葉と、「食事代」の記載があった。

多分萌花は、「ここまですれば」って外堀を埋め、私が冨士原さんを誘いやすいようにしてくれたんだと思うけど・・・。


(・・・うーん・・・もう、ここは、萌花の計画に乗っかろう!)


なんとなく、恥ずかしくって悔しいけれど。

ありがたいことも確かであって、覚悟を決めて、無表情で運転している冨士原さんに目を向けた。

「・・・あの、そういうわけなので・・・萌花の代わりに、私がお礼をさせていただくことになったんです。ですから、よかったら今度・・・お食事でもと思うんですが」

ドキドキとする。

別に、「デートしてください」って誘っているわけではないんだし、誘う理由もきちんとあるし、その理由だって本人にちゃんと伝わっている。

それでも、なんであえて私から?とか、萌花と一緒の方がよかったかな、とか、色々な不安が顔を出す。

「・・・それは、真木野さんが、青龍とオレを食事に招待してくれるということですか」

「あ・・・いえ。青龍さんはお忙しいと思うので、私と、冨士原さんだけになるんですが・・・」


(・・・って、なんて失礼な言い方を!!)


「青龍さんは忙しいから」って、これでは、冨士原さんが暇みたい。

もちろん、そんなつもりじゃないけれど、もっと別の言い方があったのに、と、心の中で泣きそうになる。

「そうですか。じゃあ、せっかくなので。お言葉に甘えて。よろしくお願いします」


(・・・え)


泣きそうな気持ちから一変、私は、もらった返事に驚いた。
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