君風~ちっぽけな世界の空の下で~
どうせ誰にも必要とされないなら生きている価値なんてない。
そう思ってしまった以上、今後の選択肢は自然と一つに限られた。
迷いや戸惑いも全くもってなかった。
だって、これが事実だという事に変わりはないから。
だからこそ、気付けばその場所に居たんだ。
その決断を後押しするかのように、余計な時にしか私の前に存在を現さない追い風が痛いほど吹いていた。
いつもなら辛うじて感じられていた澄んだ海も美味しいはずの空気も、今となってはただの邪魔者にすぎない。
長時間ここに居れば、せっかく解決の決断にも迷いが生まれてくるかもしれない。
ふとそう思った私は大きく息を吸い、太陽に熱された鉄柵を飛び越えた。
今は、微風でも吹けばすぐに落ちてしまいそうなほど細いスペースに鉄柵を頼りにやっと立っているようなものだ。
そんな状況に少なからず恐怖心は覚えた。
だが、辛い思いをしなくていいと思えば自然と気分が晴れてきた。
もう怖いものなんてない。
だから、手を放そうとした。
そんな時だった。
「待って。」
背後から突然こんな声が聞こえた。
そう思ってしまった以上、今後の選択肢は自然と一つに限られた。
迷いや戸惑いも全くもってなかった。
だって、これが事実だという事に変わりはないから。
だからこそ、気付けばその場所に居たんだ。
その決断を後押しするかのように、余計な時にしか私の前に存在を現さない追い風が痛いほど吹いていた。
いつもなら辛うじて感じられていた澄んだ海も美味しいはずの空気も、今となってはただの邪魔者にすぎない。
長時間ここに居れば、せっかく解決の決断にも迷いが生まれてくるかもしれない。
ふとそう思った私は大きく息を吸い、太陽に熱された鉄柵を飛び越えた。
今は、微風でも吹けばすぐに落ちてしまいそうなほど細いスペースに鉄柵を頼りにやっと立っているようなものだ。
そんな状況に少なからず恐怖心は覚えた。
だが、辛い思いをしなくていいと思えば自然と気分が晴れてきた。
もう怖いものなんてない。
だから、手を放そうとした。
そんな時だった。
「待って。」
背後から突然こんな声が聞こえた。