白雪姫に極甘な毒リンゴを 3 (桃華の初恋編)
プロローグ
なぜあの時
私は言ってしまったのだろう
「私を『仮の彼女』にしませんか?」
なんて。
その時の私は
わかっていたはずなのに。
十環先輩には
大好きでたまらない人がいるって。
私なんて
絶対に彼女になれないって。
それなのに……
十環先輩に近づけば近づくほど
止められないほど大好きになっていく。
傍にいればいるほど、思い知らされる。
先輩の心の中に
私の居場所なんてこれっぽっちも
ないんだって。
せつなくて
苦しくて
それでも十環先輩の傍にいたくて。
このお話は
そんな私の初めての恋……