白雪姫に極甘な毒リンゴを 3 (桃華の初恋編)


「十環先輩はその日だけ
 お店の手伝いをしてくれたんです。
 私の一番上の兄の知り合いで」


「そうだったのね。
 桃華ちゃん、教えてくれてありがとう」


 私を見つめ
 心からお礼を言ってくれた結愛さん。


 たったこれだけで
 十環先輩が結愛さんを好きになった理由が
 わかった気がする。


 かわいくて、品があって
 ふわっとしていて
 守ってあげたくなる感じ。

 話し方も穏やかで
 相手の心をあったかくしてくれる。


 どう頑張っても
 私は結愛さんに勝てないや。

 そう思った時には
 私の口がとんでもないことを
 発していた。

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