白雪姫に極甘な毒リンゴを 3 (桃華の初恋編)
「結愛さん、
2年前に十環先輩のことを
ふったんですよね?
どうしてですか?」
「桃華ちゃんって、
どうして十環くんのこと、詳しいの?」
言えない。
十環先輩が大好きだからって。
どうしても隣にいたくて
仮の彼女なんですって。
その事実を隠すため
私は穏やかに微笑んだ。
「TODOMEKIって知っていますか?」
「うん。高校に入るまで
十環くんが入っていた
暴走族チームだって聞いているけど」
「十環先輩がいた時の総長が
私の兄なんです」
「もしかして、龍牙さん?
お会いしたことはないけど
話はよく十環くんから聞いていたよ」
「それに私、今、
十環先輩と同じ明虹学園にいるんです。
1年ですけど」
「そうなのね。
同じ高校で、龍牙さんの妹さんなのね。
桃華ちゃんになら話してもいいかな」
結愛さんはそう言うと
悲しさを含んだ瞳を光らせ
言葉を続けた。