白雪姫に極甘な毒リンゴを 3 (桃華の初恋編)

「十環先輩? 
 どうしちゃったんですか?
 もしかして
 今日の私のお弁当のことでも
 考えてました?」


「え?」


「残念でした~。 
 今日は龍兄が作ってくれました~。

 恋兄、昨日の夜は
 『明日のお弁当は、とびきり
 手の込んだものを作ってあげる』とか
 言ってたけど、
 全然起きてこなかったし。

 だから今日は
 お弁当を食べる私を
 いじるなんてできませんからね」


 ルンルン気分の桃ちゃん。

 今日は恋都さんが作るお弁当を
 食べなくていいから、
 機嫌が良いのかな?


 桃ちゃんが笑ってくれると
 なんか安心する。
 

 だって昨日の桃ちゃんは
 なぜか悲しそうな瞳をしている
 気がしたから。
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