白雪姫に極甘な毒リンゴを 3 (桃華の初恋編)

 俺は言われた通り
 階段を上り一颯の部屋に入り
 部屋の真ん中に置かれた
 テーブルの前に座った。


 しばらくして
 一颯が部屋に入ってきた。


「十環、お待たせな。」


「りっちゃん、大丈夫だった?」


「とりあえず落ち着いたみたい。
 さっきは本当にごめんな。
 六花がお前に、塩なんか投げつけて。」


「いいよ。別に。
 りっちゃん
 桃ちゃんと何かあったの?」


「なんかさ
 桃ちゃんに言われちゃったんだって。
 『六花のこと、信じてたのに』って。

 なんで言われたのか
 六花の奴話してくれないんだ。」


 桃ちゃんは
 りっちゃんのことが大好きで
 しかたがない。

 りっちゃんのためなら
 自分を犠牲にしたことだってある。


 それなのに
 りっちゃんにそんなことを言うなんて。
 俺のせいだよな。


「十環、本当にごめんな。
 六花が落ち着いたらさ
 ちゃんとお前に謝るように伝えるから」


「いいよ。
 俺になんて謝らなくても。
 桃ちゃんがりっちゃんに
 酷いことを言っちゃったのは
 俺のせいだからさ」


「は?」

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