白雪姫に極甘な毒リンゴを 3 (桃華の初恋編)
「トイプー、
もう一度計画を確認するから。
もうすぐ
結愛さんと結愛さんのお父さんが
散歩がてらこの公園に来る。
私が結愛さんのお父さんを捕まえて
あの木に縛り付けるから
トイぷーは結愛さんを捕まえる」
「わかってます」
「結愛さんにはこの計画を
話してあるから、安心して。
結愛さんには
弱っちいトイプーでも
それなりに見えるように
捕まって怖がっている演技をしてって
頼んであるから」
「弱っちいは余計です」
「ごめん、ごめん。
結愛さんが
この公園のあの建物の入り口で
十環先輩と待ち合わせをしているから
十環先輩はそこで待っていると思う。
建物の陰になっているから
十環先輩は私たちの様子は
見えないはず。
私の合図で
結愛さんが叫ぶことになっているから
その声を聞いて
十環先輩がこっちに駆けてくる。
そしたら私が
十環先輩にケンカを吹っ掛けて。
結愛さんのお父さんの前で
私が倒されて、逃げる。
ま、こんな感じかな」
「桃華さん
本当にこんなことするんですか?」
「するよ」
「こんなことして
桃華さんにとっていいことなんて
一つもないじゃないですか?
失敗したら、警察呼ばれちゃいますよ」
「あるよ。 私にとっていいこと」
「え?」