白雪姫に極甘な毒リンゴを 3 (桃華の初恋編)


「十環先輩はやっぱり結愛さんが
 大好きだってわかって、諦めがつく。
 そしたら私も
 吹っ切って前に進める。

 フラれた男に未練タラタラの私に
 ならなくてすむでしょ?

 そんなカッコ悪い姿
 下僕たちには死んでも
 見せたくないからね」


「桃華さん……」


「さ、もうすぐ結愛さんたちが
 ここに来る時間だから、
 この真っ黒い覆面マスクかぶって」


「目と口しか、出てないですね。
 海外の強盗みたい」


「ほら、早くかぶれって」


 全身黒ずくめのの強盗に変装して
 私たちは
 結愛さんとお父さんが来るのを
 建物の陰に隠れて待った。
 
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