白雪姫に極甘な毒リンゴを 3 (桃華の初恋編)

「十環、びっくりさせて悪かったな」


「龍牙さん?」


「お前、声のトーン落とせよ。
 結愛さんたちにバレるだろ?
 2人から見えないように
 このままでいろよな」


「なんで? 龍牙さんが?」


「は~ 本当に桃はアホだよな。
 普通の女は絶対にしないからな。

 好きな男に殴られてでも
 結愛さんとお前を
 くっつけようだなんてさ」


 今…… 

 なんて……?


「俺が殴ったのって……」


「……桃」


 まさかそんなこと……
 嘘……だよね…


 遠くの方で倒れたまま
 起き上がらないあの黒づくめの男が
 まさか、桃ちゃんだったなんて。


 自分のしてしまったことの罪の重さに
 身震いが止まらない。

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