白雪姫に極甘な毒リンゴを 3 (桃華の初恋編)
切ない思い
☆桃華side☆
あれ、ここって……
私の部屋のベッドの上だ……
ゆっくりと瞼を開け、横を見ると
ビー玉のような真ん丸な瞳が
私の目に飛び込んできた。
「桃華さん……
良かった……目を覚ましてくれて……」
トイプーはベッドサイドで
大粒の涙をぽろぽろ流して、
立ち尽くしいる。
私を心配してくれているのがわかる
苦しそうな瞳を見た瞬間、
今朝の出来事が断片的に思い出された。
そっかぁ。
私、トイプーが殴られそうになったから
飛び出して行って
十環先輩に頬を殴られたんだった。
まだぼんやりとしか
思い出せない記憶。
立ち尽くしたままのトイプーは
「僕をかばったばっかりに……
桃華さんが殴られて……」と
泣きながら「ごめんなさい」を
繰り返している。
私はトイプーを落ち着かせたくて
寝ころんだまま
トイプーの腕をさすった。