白雪姫に極甘な毒リンゴを 3 (桃華の初恋編)
トイプーが帰った後
隣の部屋のドアが閉まる音が
聞こえてきたから
私はその部屋に向かった。
一歩足を出すたびに
お腹がズキリズキリ痛む。
頬の痛みも
相変わらずジンジンするけど
耐えられないほどではなかった。
「龍兄、ちょっといい?」
ドアの前で発した
私の声に気付いたのか、
ガタンと何かが倒れる音がして
勢いよくドアが開いた。
「桃、お前大丈夫なのかよ?
まだ寝てろって」
「もう大丈夫だから。
こんな痛み、根性で何とかなるし。
それよりもさ
龍兄に話したいことがあって」
「ああ」
龍兄は私を部屋に入れてくれた。
さっき倒れたのは
椅子だったのかな?
不自然に倒れている。
龍兄はあわてて椅子を起こすと
「床に座ると立ち上がる時に
腹が痛むだろ。この椅子に座れよ」と
勧めてくれた。
素直に私は椅子に座り
龍兄は目の前のベッドに腰を掛けた。