白雪姫に極甘な毒リンゴを 3 (桃華の初恋編)
「龍兄……ごめん。
写真盾なんか投げちゃって。
それと……
ありがとう」
「え?」
「龍兄が助けに来てくれなかったら、
私もトイプーも
警察に捕まっていたかもしれないから」
さっきまで、龍兄に
キャンキャン吠えていた勢いが消え
弱々しい声しか出てこない私に
龍兄が心配そうに聞いてきた。
「桃は大丈夫なのか?」
「だから、お腹とか頬の痛みは、
根性で何とかなるから」
「そうじゃなくて……
好きだったんだろ? 十環のこと」
そのことかぁ。
もう隠したって
龍兄は気づいているよね。
私は素直にうなずいた。