白雪姫に極甘な毒リンゴを 3 (桃華の初恋編)

「肌が白い桃なら
 このうすピンクのワンピが
 絶対に似合うから。

 それにね
 スカートの裾の刺繍見てごらん。
 よくよく見るとね、龍の刺繍なんだよ。

 桃って、和柄好きじゃん。
 気に入ってくれたでしょ?」


 胸元には
 チェリーピンクのリボンが縦に3つ。


 ウエストがギュッと絞られていて
 後ろには大き目のリボンもついている。


 ひざ上あたりの長さのスカートの裾は
 ふんわり広がっていて
 海外のお姫様が着そうなほど
 甘いデザインなのに。

 裾には白い糸で
 確かに龍が刺繍されていた。


 この龍の刺繍を見たら
 確かに胸がキュンとしちゃったけど。


 このキュンは
 着たいからじゃないよ。

 ただの和柄ファンとして
 キュンってしただけだから。


「桃ちゃん、着てくれるよね?」


「だから恋兄!!
 こんな私に似合わない服
 絶対着ないからね」


「そんなことないよ。
 桃をイメージして作ったんだから
 絶対に桃に似合うって。

 あ、この真っ白レースのヘッドドレスも
 つけてね」


「こんなもの、つけられるか!!」


 人として
 どこかのネジがぶっ飛んでいる恋兄に
 何を言ってもダメだ。


 こうなったら
 一番私を助けてくれそうな龍兄を
 頼るしかない。


 『龍兄、助けて』と訴えるように
 私は龍兄を見つめてみた。

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