白雪姫に極甘な毒リンゴを 3 (桃華の初恋編)
「あ~。もう。
桃ちゃんの頭の中、面白すぎなんだけど。
どんな人生を送ってきたら、
スルメでダーツをしようなんて
思いつくの?」
「元総長の父と母に育てられ、
常識が通用しない兄3人に
揉まれて生きて来たら、
誰でも私みたいにひねくれますよ」
「もう、桃ちゃん。
龍牙さんたちのこと、悪く言わないの」
優等生みたいに
穏やかな笑顔で私を諭したかと思うと
また笑い出した十環先輩。
やっと笑いが落ち着いた頃
十環先輩が急に
真面目な顔で私を見つめてきた。
「桃ちゃんだったらさ、
どっちの色が良いと思う?」
「え?」
「俺の髪の色。
今のキャラメル色と、このスルメ色」
髪の色かぁ。
結愛さんとお揃いの
キャラメル色の髪をした十環先輩なんて
本当は見たくもないな。
スルメみたいな
赤茶色の髪は意外と似合うと思うし。
でも
スルメ色がいいだなんて言えないよ。
まだ未練がタラタラだって
バレバレだもん。