白雪姫に極甘な毒リンゴを 3 (桃華の初恋編)
「キャラメル色かな」
「そっかぁ……」
落ち込んだように
視線を落とした十環先輩。
なんで?
結愛さんとの想いが詰まった
キャラメル色の方が良いんじゃないの?
「桃ちゃんは
本当にキャラメル色の方がいいと思う?」
「はい」
「このスルメか、キャラメルだよ?
どっちの色に
桃ちゃんだったらして欲しいかって
ことだよ?」
「キャラメル色です。
100%、
結愛さんとお揃いのキャラメル色です」
「え? なんで?」
「だって……
十環先輩が髪を
スルメ色にしちゃったら……」
十環先輩のこと
もっと諦められなくなっちゃうから。
結愛さんよりも私を選んでほしいって
十環先輩に伝えて
困らせちゃいそうだから。
そんな情けない姿なんて
もう十環先輩には見せたくないから。
「私は、キャラメル色の髪の十環先輩が
一番カッコいいって思いますよ。
それに、スルメ色なんかにしたら
結愛さんが悲しんじゃいますよ。
まさか……
結愛さんの髪色も
スルメ色にさせようって
考えているんじゃ?
十環先輩って、結愛さんにも
悪魔モード全開なんですか?」
冗談交じりで笑いながら言った
私の言葉に
一層暗い顔をした十環先輩。
そして、信じられない言葉が
十環先輩の口から飛び出した。