白雪姫に極甘な毒リンゴを 3 (桃華の初恋編)

「十環先輩、こんな時まで
 私をいじるのはやめてください」


「桃ちゃん、俺の目を見て」


「え?」


 まっすぐに私を見つめる
 十環先輩の瞳。


 息を吸うのも忘れちゃうくらい
 綺麗な瞳に
 吸い込まれそうになる。


「俺が大好きなのは
 桃ちゃんだからね」


 王子スマイルも、悪魔スマイルも見せず
 硬い表情のまま
 思いを伝えてくれた十環先輩。


 十環先輩。
 その顔は反則です。


 いつも笑顔の十環先輩に
 真剣な表情でそんなことを言われたら
 もう、止められなくなっちゃう。


 大好きで大好きでしかたがない。
 十環先輩への想いが。


 でも、結愛さんよりも私が良いなんて
 信じられないから。

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