白雪姫に極甘な毒リンゴを 3 (桃華の初恋編)
「なんで、私なんですか?
100人の男の人がいたら
全員私より結愛さんが良いって
思いますよ」
「そんなことないでしょ?
俺は桃ちゃんの方が
良いって思ったんだから」
「だから、信じられないんです。
私が結愛さんに勝てるところかんて
ケンカが強いくらいだから」
「やっぱり桃ちゃんは、気づいてない。
自分がどれだけ魅力的か。
俺にタバスコたっぷりの唐揚げを
食べさせようとして自分で食べたり。
さっきなんて、不気味な目で
俺をスルメダーツの的に
しようとしたりさ」
「それ、褒めていませんよね?」
「他にもさ、
桜色のフリフリワンピースに
ツインテール姿で
中学のお仲間さん達を怒鳴りつけたり」
「だから、褒めていませんよね?
それに、恋兄の作ったワンピースを
着ることになったのは
十環先輩のせいですからね。
私はあの時、十環先輩だったら
一番まともな忍者衣装を
選んでくれるって信じてたのに」
「だって、見てみたかったんだよね。
ラブリーな服を着せられた桃ちゃんが
どんな顔をするのかなって」
「悪魔だ。
やっぱり十環先輩はドS悪魔だ」
「それに桃ちゃんは
人のためなら自分を犠牲にして
突っ走るでしょ?
りっちゃんの時も、俺の時も。
そんなカッコいい女の子
桃ちゃん以外いないよ」
「カッコいいなんて、
言われても嬉しくないですから」
「2年ぶりに会った結愛さんは
俺と別れた時よりも
綺麗になっていたよ。
でもさ、そんな結愛さんと話していても
思っちゃったんだ。
俺、結愛さんよりも
桃ちゃんと一緒にいる方が楽しいって」
「それは私が
龍兄や一颯先輩みたいに
いじめがいがある存在だからですよね?
男友達的な」
「うん。
俺、桃ちゃんをいじるのが楽しいからね」
そこ、素直に認めるんだ。
結構凹んだんですけど。