白雪姫に極甘な毒リンゴを 3 (桃華の初恋編)

「お母さん、
 急に十環先輩にお手伝いの
 お願いをしたら、迷惑でしょ?」


「え? 迷惑じゃないわよね?
 だって、十環君は
 桃の彼なんでしょ?」


 そうだよ。
 昨日、私の彼になってくれたよ。
 十環先輩は。


 ん? 
 んんん?


 えぇぇぇぇぇ???


 私、誰にも言ってないのに。


 そういえば朝
 虎兄も知っていた!!


「なんでみんな知ってるの?」


「それは俺が
 昨日桃ちゃんに会いに行く前に
 桃ちゃんの家族みんなに伝えたから」


「十環先輩、何をですか?」


「桃ちゃんに告白しに行っても……
 いいですかって……」


 し……知らなかった。


「お父さんに
 殴られなかったですよね?」


 そう言って私がお父さんを見ると
 これまた不気味。

 ニコニコ笑っている。


「桃、さすがの俺もさ
 娘に告白したいって言われたぐらいじゃ
 殴らないぞ。

 それに十環は、俺の大事な
 TODOMEKI仲間だからな」


「鷹矢(たかや)さんには
『十環なら許す』って
 言ってもらったし」


 鷹矢さんって……


 十環先輩。
 お父さんにまで
 すっかり好かれちゃっているじゃん。


 いつの間に。
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